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兵庫県の自転車事故の傾向|県警の統計から

兵庫県で毎日自転車に乗っていると、どんな場面で事故が起きているのかが気になります。県内では、人がけがをしたり亡くなったりした交通事故のおよそ4件に1件に自転車が関わっており、相手の9割以上は車両、時間帯は朝8時台と夕方17時台に集中しています。件数は10年前より減りましたが、交通事故全体に占める割合は10年前より高い水準です。

令和7年(2025年)の県内の自転車事故を、相手・死者のけが・時間帯・地域・年代の順に説明します。集計の期間や対象は資料ごとに違うため、数値には期間と出典を添えています。

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令和7年は3,592件、人身事故の24.8%に自転車が関係

令和7年の1年間に県内で起きた人身事故14,458件のうち、自転車が関係した事故は3,592件で、前年より278件減りました。全人身事故に占める割合は24.8%です(兵庫県警察「自転車が関係する交通事故発生状況」)。同資料の「関係事故」は、第1当事者または第2当事者の一方、あるいは両方が自転車である事故を指します。

平成27年から令和7年までを見ると、自転車関係事故の件数は減少傾向にあります。一方、全人身事故に占める割合は平成27年の21.7%から令和7年の24.8%へ上がり、近年は約25%で推移しています(同資料)。毎年同じ方向に増減しているわけではありません。

年 県内の人身事故 うち自転車関係事故 割合 自転車乗用中の死者
平成27年 28,542件 6,205件 21.7% 30人
令和元年 22,896件 5,716件 25.0% 25人
令和5年 16,281件 4,184件 25.7% 13人
令和6年 15,551件 3,870件 24.9% 11人
令和7年 14,458件 3,592件 24.8% 15人

表は兵庫県警察の同資料から5年分を抜き出したものです。人身事故全体と自転車関係事故はともに10年前より減っていますが、自転車関係事故の割合は21.7%から24.8%へ上がっています。直近では約25%で推移しています。件数の減少だけで、自転車を利用する人の事故の起きやすさまで判断することはできません。

事故の相手は9割以上が自動車などの車両

令和7年の自転車関係事故3,592件を事故の相手で分けると、「自転車対車両」が3,271件で全体の9割以上を占めました(兵庫県警察)。残りは、歩行者とぶつかった「人対自転車」が153件、「自転車対自転車」が125件、転倒などの「自転車単独」が42件、列車との事故が1件です。

10年前の平成27年と比べると、「自転車対車両」が約4割、「自転車単独」が約8割、「自転車対自転車」が約4割、「人対自転車」が約2割、それぞれ減りました(同資料)。歩行者との事故は減り方が小さく、令和7年は前年より1件多くなりました。

なお、兵庫県の「自転車の交通事故の現状」は、自転車対自転車を含めた「自転車対車両」を3,396件として、その中の事故の型を分析しています。県警資料の3,271件と125件を足すと3,396件になり、数え方の違いによる差と読めます。どの型が多いかは、交差点での出会い頭の事故を扱った記事で詳しく説明しています。

2025年の自転車乗用中の死者15人中、頭部の損傷が最も重い人は7人、ヘルメット着用者は0人

令和7年に県内で自転車に乗っていて亡くなった人は15人で、前年より4人増えました(兵庫県警察「自転車が関係する交通事故発生状況」)。けがをした人は3,458人です。

令和7年の死者15人のうち、最も重い損傷を負った部位が頭部だった人は7人で46.6%でした。15人のうちヘルメットを着けていた人は0人です(兵庫県「自転車の交通事故の現状」)。一方、けがをした3,458人の主な損傷部位は脚部1,299人(37.5%)、腕部749人(21.6%)、頭部484人(13.9%)の順で、負傷者では手足のけがが多くなっています。

頭のけがの割合は、資料によって集計期間も表現も違います。数値は期間と合わせて見てください。

資料 集計期間 示されている内容
兵庫県警察「自転車ヘルメット着用の努力義務化」 2020〜2024年(令和6年中の死者は単年) 自転車乗用中の死者の約4割が頭部に致命傷。令和6年の死者11人のうち10人がヘルメット非着用
兵庫県警察「自転車安全利用五則を守ろう!」 2021〜2025年 自転車乗用中の死者の約半数が頭部に致命傷
兵庫県「自転車の交通事故の現状」 令和7年(単年) 死者15人のうち主な損傷部位が頭部の人は7人(46.6%)。ヘルメット着用者は0人

期間の取り方で「約4割」とも「約半数」とも書かれていますが、どの資料でも頭のけがが死亡の大きな原因になっていることは共通しています。ヘルメットの着用は、道路交通法で全年齢の努力義務です。

死傷者全体の着用率も低い水準です。令和7年中に自転車乗用中に死傷した3,473人のうち、ヘルメットを着けていた人は450人で、着用率は13.0%でした(兵庫県「自転車の交通事故の現状」)。年代別では、幼児35.3%、小学生33.1%、中学生40.1%に対し、高齢者は10.8%、幼児から高校生と高齢者を除いた「その他」の年代は10.4%にとどまっています。

この集計では、死傷者のうち高齢者と「その他」の区分の着用率は約1割にとどまっています。県内の大人の利用者全体について、普段の着用率を調べた数字ではありません。自分や家族が乗るときの着用を確認するきっかけにしましょう。高校生の着用率は別の記事でまとめています。

事故は通勤・通学の朝8時台と夕方17時台に集中

令和7年の自転車関係事故3,592件を時間帯で分けると、最も多かったのは8時台の441件で、17時台の339件、7時台の309件、16時台の281件が続きます(兵庫県「自転車の交通事故の現状」)。

昼間(6時〜17時台)は2,947件、夜間(18時〜翌5時台)は645件でした。令和5年から令和7年まで、例年、通勤・通学時間帯の8時台と帰宅時間帯の17時台に多くなっています(同資料)。

8時台と17時台は、ちょうど通勤・通学の行き帰りに当たります。家を出る時間を数分早めて交差点で止まる余裕をつくる、帰りが暗くなる季節は早めにライトを点灯するなど、自分がよく乗る時間帯に合わせて備えましょう。

自転車事故の地域別件数と、人身事故全体に占める割合を比べる

県民局・県民センターごとの件数では、令和7年は阪神南が845件で最も多く、神戸816件、東播磨627件、中播磨588件の順でした。前年より増えたのは東播磨(+4件)と西播磨(+7件)で、丹波は前年と同じ件数、そのほかの地域は減っています(兵庫県「自転車の交通事故の現状」)。

市区町別に見ると、人身事故全体に占める自転車関係事故の割合も分かります。次の表は、同じ資料から件数の多い市と神戸市の一部の区を抜き出しました。

市区 人身事故 うち自転車関係事故 割合
尼崎市 1,103件 434件 39.3%
西宮市 887件 327件 36.9%
姫路市 1,988件 574件 28.9%
明石市 947件 272件 28.7%
神戸市(9区の合計) 3,959件 816件 20.6%
神戸市長田区 249件 85件 34.1%
神戸市須磨区 251件 38件 15.1%

尼崎市と西宮市では、自転車関係事故の割合が35%以上です。ただし、これは人口や自転車の利用者数で割った数値ではありません。自転車を使う人が多い地域ほど件数と割合が高くなることも考えられるため、表の順位をそのまま「危ない市」と読み替えないようにしましょう。

高齢者の死亡は単独の転倒が最も多い

年代別に見ると、亡くなる人は高齢者に偏っています。令和7年の自転車乗用中の死者15人のうち8人(53.3%)が高齢者で、そのうち4人は主な損傷部位が頭部でした(兵庫県「自転車の交通事故の現状」)。

2024年までの5年間の県内の統計で、高齢者の自転車の死亡事故を型別に見ると、最も多いのは道路外へのはみ出しや転倒などの「自転車単独」で25人、次いで車両相互の出会い頭が16人、その他が14人でした(兵庫県警察のチラシ「高齢者は自転車単独の転倒事故に注意!」)。自転車事故の多くは交差点での出会い頭事故ですが、高齢者はハンドル操作などを誤って道路外にはみ出し、単独で転倒して亡くなる人が他の世代より突出しています。夜間の単独の転落事故も多くなっています(同チラシ)。

高齢者の人身事故は平日・晴れ・朝10時ごろが最も多く、事故時のヘルメット着用率は5.4%でした(同チラシ)。家族が高齢の場合は、車との事故だけでなく、段差や側溝、夜道での転倒にも目を向け、ヘルメットを勧めることが大切です。

小・中・高校生が死傷者の4分の1を占める

一方、けがをする人の数では子どもも少なくありません。2025年までの5年間の県内の統計で、自転車乗用中の死傷者のうち小学生・中学生・高校生が全体の4分の1を占めています。子どもの自転車の人身事故は6月に最も多くなっています(兵庫県警察のチラシ「6月 こどもの自転車事故最多」、令和8年5月作成)。

令和7年の兵庫県の資料でも、自転車乗用中の傷者3,458人のうち高校生は458人、小学生241人、中学生197人でした。通学に自転車を使う年代の事故の特徴と、高校生のヘルメットの状況は、高校生の自転車事故を扱った記事で詳しく説明しています。

令和8年の自転車乗用中の死者は8月末時点で2人

令和8年8月末の確定数では、県内の交通事故死者は78人で前年同期より18人増えましたが、そのうち自転車乗用中の死者は2人で、前年同期の13人より11人少なくなっています(兵庫県警察「交通事故統計」)。

交通事故統計は月ごとに更新されます。前段は8月末までの死者数であり、事故件数の増減を直接示した値ではありません。また、年の途中の数値から年間の結果は判断できません。最新の数値は県警のページで確かめてください。

統計から考える、一時停止・時間の余裕・ヘルメット・夜道への備え

数値を自分の乗り方に当てはめると、備える場面が具体的になります。統計は県全体の傾向なので、一人ひとりの危険度を示すものではありませんが、次の点は日々の乗り方で見直せます。

  • 相手が車両の事故が9割以上:交差点の手前で速度を落とし、「止まれ」の標識では必ず止まる
  • 朝8時台と夕方17時台に集中:通勤・通学の時間に余裕を持ち、急いで交差点に入らない
  • 亡くなった人の多くが頭に致命傷:大人も子どももヘルメットをかぶり、あごひもを締める
  • 高齢者は単独の転倒による死亡が多い:段差や側溝のある道、夜道を避けられる経路を選ぶ

今回参照した県警・県の資料には、電動アシスト自転車だけを分けた集計は掲載されていません。自転車全体の事故の特徴が、電動アシスト自転車でも同じ割合で当てはまるとは限りませんが、交差点での安全確認やヘルメットの着用、夜道への備えは、電動アシスト自転車を利用する際にも確認しましょう。

よくある質問

兵庫県で自転車事故の件数が最も多い市はどこですか?

兵庫県の「自転車の交通事故の現状」によると、令和7年の自転車関係事故は神戸市(9区の合計)が816件で最も多く、市単位では姫路市574件、尼崎市434件が続きます。人身事故に占める割合では尼崎市39.3%、西宮市36.9%が高くなっています。いずれも人口や利用者数で割った数値ではない点に注意してください。

電動アシスト自転車の事故件数は県の統計で分かりますか?

この記事で参照した兵庫県警察と兵庫県の資料には、電動アシスト自転車だけの事故件数は掲載されていません。記事中の数値は自転車全体の集計であり、電動アシスト自転車固有の事故傾向を示すものではありません。

まとめ

令和7年の県内の自転車関係事故は3,592件で、人身事故全体の24.8%を占め、相手は車両が9割以上でした。自転車乗用中の死者は15人で、そのうち7人の主な損傷部位が頭部、ヘルメットを着けていた人はいませんでした。

令和7年の事故は朝8時台と夕方17時台に多く、地域では阪神南と神戸が多くなっています。別の5年間の集計では、高齢者は単独の転倒などによる死亡が多く(2024年まで)、小・中・高校生は自転車乗用中の死傷者の4分の1を占めています(2025年まで)。自分がよく乗る時間帯と道を思い浮かべ、交差点での止まり方とヘルメットの着用から見直しましょう。

参考資料