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高校生の自転車事故とヘルメット|兵庫県警のデータから

高校に入って自転車通学が始まると、通学距離や朝の時間の使い方が変わることがあります。兵庫県内では、自転車事故で死傷した人を年齢別に並べると15〜18歳が突出して多く、事故時の高校生のヘルメット着用率は3.6%にとどまります(2025年までの5年間、兵庫県警察)。

高校生の事故がいつ・どんな移動中に多いのか、ヘルメットの着用がどの程度なのかを集計期間とともに説明し、通学前に家庭で決めておきたいことをまとめます。

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自転車用ヘルメットの一覧には、大人用のモデルと子ども用のモデルが掲載されています。頭囲と通学時の服装に合うものを比べる際にご利用ください。

兵庫県の自転車事故の死傷者は15~18歳に多く、高校生では1年生が最多

2025年までの5年間の兵庫県内の統計で、自転車による交通事故の死傷者数を年齢別に見ると、15〜18歳が突出して多くなっています(兵庫県警察のちらし「高校生は通学時の自転車事故に注意!」)。0歳から95歳までの棒グラフのうち、大きく伸びているのは15〜18歳の4本だけです。

学年別では、高校1年生が968人、高校2年生が829人、高校3年生が662人です(同ちらし)。学年が上がるにつれて減り、1年生が最も多くなっています。3学年の合計2,459人は、グラフの数値を記事で足し合わせた値で、ちらしに合計値の記載はありません。

高校1年生の死傷者が多い理由は、高校生向けのちらしには書かれていません。一方、小・中・高校生全体については、過去5年間の県内統計で6月の自転車事故が最も多いと県警が案内しています。4月から通学等で使い始め、慣れた時期に運転がおろそかになる可能性を挙げた説明です(「6月 こどもの自転車事故 最多」、令和8年5月)。高校1年生最多の原因が確認されたわけではありませんが、入学後も交通ルールや通学路の注意点を繰り返し確認するきっかけにしましょう。

全国でも傾向は似ています。自転車乗用中の死傷者を年齢別にみると15歳から19歳(主に高校生・中学生)が最も多く、令和2年から令和6年までの合計で、全国の高校生の自転車関連の死亡・重傷事故は3,303件でした(警察庁の自転車ルールブックp.32)。

兵庫県全体の事故件数や事故の類型、市区町ごとの状況は、県警の統計をまとめた記事で扱っています。

事故は朝7時台・8時台の登校中に集中する

高校生の死傷者数を時間帯・曜日・天候・通行目的に分けると、次のとおりです(2025年までの5年間、兵庫県内。高校生向けのちらしのグラフから)。

分け方 ちらしに示された高校生の死傷者数
時間帯 7時台443人、8時台487人。15〜18時台は各177〜196人
曜日 月372人、火447人、水431人、木408人、金479人、土201人、日121人
天候 晴1,912人、曇326人、雨215人、雪6人
通行目的 登校1,006人、下校769人、訪問299人、買物268人、その他117人

時間帯で目立つのは朝で、7時台と8時台の2時間だけで930人、合計2,459人の約38%を占めます。夕方の15〜18時台にも、朝ほどではないものの小さな山があります。

通行目的では登校中の死傷者が1,006人で最も多く、下校中の769人と合わせると全体の約7割を占めます(割合はいずれもグラフの数値から独自に計算)。曜日では平日が多く、土曜・日曜は少なめです。この集計では、訪問や買い物よりも、毎日の通学の行き帰りで死傷した高校生の人数が多いことが分かります。

朝の通学時間帯は、通勤の自動車や自転車も多い時間です。始業に間に合わせようと急ぐ場面が事故にどの程度関係しているかは、ちらしの数字からは分かりません。それでも、出発時刻を数分早めることは家庭ですぐに取り組める対策です。「心と時間に余裕を持って、ヘルメットをかぶり、通学しよう!」というのが、ちらしの呼びかけです。

晴れの日の事故が多くても雨の日が安全とは限らない

天候別では晴の1,912人に対し、雨は215人でした。この差を見て「雨の日のほうが安全」と考えるのは早計です。ちらしの数字は死傷者の人数で、天候ごとに自転車に乗った人の数や走った距離で割った値ではありません。

天候によって自転車を利用する機会が異なれば、死傷者の人数にも影響します。たとえば雨の日にバスや送迎へ切り替える人がいる場合も考えられますが、このちらしには交通手段の利用実態は示されていません。天候による事故の起きやすさを比べるには、利用者数や走行距離などのデータも必要です。

雨の日に自転車で通学するなら、濡れた路面では晴れの日と同じように止まれないおそれがあると考え、出発を早めて速度を控えめにする計画にしておきましょう。雨具で走るか、バスや送迎に切り替えるかを決めておくと、朝に慌てずに済みます。

事故に遭った高校生のヘルメット着用率は3.6%

自転車事故に遭ったときのヘルメット着用率を世代別に見ると、次のとおりです(2025年までの5年間、兵庫県内。高校生向けのちらし)。

世代 事故時のヘルメット着用率
幼児 31.9%
小学生 30.3%
中学生 31.9%
高校生 3.6%
高齢者 6.7%
その他 8.7%

事故時の着用率は、中学生までは3割前後なのに対し、高校生は3.6%と、表の中で最も低い値です。15〜18歳の死傷者数が多いことと合わせ、高校生への着用の呼びかけが必要なことを示しています。ただし、同じ生徒を追跡した調査ではないため、高校進学による着用習慣の変化を直接示した数字ではありません。

この数字は、県警が示した自転車の交通事故時のヘルメット着用率です。県内の高校生全体について、普段どのくらいの人がヘルメットをかぶっているかを調べた値ではありません。事故時の着用率が低いという点を、毎回かぶる習慣を見直すきっかけにしてください。

私用中に自転車事故に遭った中学生のヘルメット着用率は11.7%

中学生が事故に遭ったときの着用率を通行目的別に分けると、通学等の際は61.2%、私用の際は11.7%でした(2025年までの5年間、兵庫県内。兵庫県警察のちらし「中学生は私用時の自転車事故に注意!」)。世代別の31.9%は一見良さそうですが、私用時の着用率は低くなっています。

中学生の通学等の事故時の着用率61.2%と、高校生全体の事故時の着用率3.6%は、対象が異なる集計です。同じ生徒を追跡して進学後の変化を調べたものではなく、差が生じた理由もこの資料からは分かりません。通学だけでなく、私用で乗るときにもヘルメットをかぶることを家庭で確認しましょう。

家庭でできるのは、「学校で言われたからかぶる」から「自分の頭を守るためにかぶる」へ、理由を言葉にしておくことです。高校生向けのちらしの数字を本人と一緒に見ると、事故が多い世代であることを具体的に伝えやすくなります。

兵庫県で自転車乗用中に亡くなった人の約半数は頭部が致命傷(2021~2025年)

高校生の着用率の低さが心配なのは、自転車事故で命を落とす原因に頭のけがが多いためです。兵庫県内で自転車に乗っていて事故で亡くなった人の約半数が、頭部に致命傷を負っていました(2021〜2025年中。兵庫県警察のちらし「自転車安全利用五則を守ろう!」)。同じ指標について、県警のヘルメットのページは2020〜2024年の値を「約4割」と示しています。集計期間が異なるため、数字を引用するときは期間も添えましょう。資料ごとの違いと令和7年単年の県内の数字は、兵庫県全体の事故の傾向の記事で比べています。

全国では、頭部を負傷した自転車乗用中の人のうち、ヘルメットを着けていなかった人の致死率は、着けていた人の約1.4倍でした(令和2年から令和6年までの合計。警察庁の自転車ルールブックp.22)。ここでいう致死率は、頭部を負傷した人のうち亡くなった人の割合です。

兵庫県警察の「自転車の交通ルールハンドブック(高校生以上用)」は、ヘルメットが頭部の保護に有効であるとして着用を呼びかけています。県内の集計では15〜18歳の死傷者数が多く、高校生の事故時の着用率が低いことが分かります。ただし、死傷者数だけで各年齢の人が事故に遭う確率まで比較することはできません。

ヘルメット未着用に反則金はないが、信号無視などの違反は16歳から青切符の対象

道路交通法63条の11第1項は、自転車の運転者は乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならないと定めています。年齢の区別はなく、高校生も対象です。保護者が子どもにかぶらせるよう努める同条3項は、児童・幼児(13歳未満)が運転する場合の決まりなので、高校生については本人の努力義務が中心になります。

努力義務のため、かぶらなかったことだけで反則金を科されることはありません(ルールブックp.22)。一方で、2026年4月1日からは、16歳以上の人による自転車の一定の交通違反に青切符(交通反則通告制度)が使われています(ルールブックp.2・p.4)。多くの生徒は高校1年生の間に16歳になるため、高校在学中に、信号無視や一時不停止などの違反で反則金の対象になる年齢に達します。

ヘルメットの未着用に反則金がないことと、頭を守るために着用することは別に考えましょう。16歳は自転車の一定の違反が青切符の対象になる年齢です。それ未満でも交通ルールを守る必要があり、指導警告や、重大な違反等に対する刑事手続の対象となる場合があります。青切符の対象違反や手続は、別の記事でまとめています。

自転車通学の前に、出発時刻・一時停止の場所・ヘルメットの着け方を家族で確認する

高校での自転車通学が始まる前に、事故の多い場面に合わせて次の点を家庭で話し合っておきましょう。

  • 朝の出発時刻:事故が集中する7時台・8時台に急がないよう、到着に数分の余裕を持たせる
  • 「止まれ」の場所:小・中・高校生が第一当事者となった事故の原因は、指定場所一時不停止等が最も多い(令和8年5月の県警のちらし)。通学路の標識の位置を一緒に確かめる
  • ヘルメットのサイズとあごひも:頭のサイズに合ったものを着け、あごひもを確実に締める(県警のハンドブック)。中学時代のものを使う場合も頭囲を測り直す
  • 下校後の寄り道や休日:登校時だけでなく、下校や私用で自転車に乗るときも、ヘルメットをかぶることを本人と確認する
  • 雨の日の手段:雨具で走るか、バスや送迎に切り替えるかの基準を前もって決める

一時停止の標識の前でどこに止まり、どう確認するかは、止まり方を詳しく解説した記事を参考にしてください。通学に使う自転車そのものの選び方や装備は、高校生の通学自転車の記事で取り上げています。

よくある質問

高校生の事故時のヘルメット着用率3.6%は、兵庫県内の高校生全体の着用率ですか?

違います。兵庫県警察のちらしの3.6%は、2025年までの5年間の県内の自転車交通事故時の高校生のヘルメット着用率です。事故に遭っていない人を含む、高校生全体の普段の着用率を示した値ではありません。

中学時代に使っていたヘルメットを高校でもかぶり続けてよいですか?

中学時代のヘルメットを使う前に、サイズだけでなく、使用期間や強い衝撃を受けたことがないかも確認してください。転倒などで頭を強く打ったヘルメットは、外見に傷がなくても内部が損傷しているおそれがあります。メーカーが示す交換目安を確認し、頭に合うか、ぐらつきがないか、あごひもを適切に締められるかも確かめましょう。買い替えの目安は、ヘルメットの買い替え時期をまとめた記事で解説しています。

まとめ

2025年までの5年間に兵庫県内で自転車事故により死傷した人は15〜18歳が突出して多く、高校生の学年別では1年生が968人で最多でした。高校生の死傷者数は朝7時台・8時台に多く、目的別では登校中が最多です。通学の行き帰りにも、時間に余裕を持ち、安全を確認して走ることが大切です。

事故時のヘルメット着用率は高校生が3.6%で、中学生までの3割前後と比べて低い値でした。頭部の致命傷の割合は、県内の資料でも「約4割(2020〜2024年)」と「約半数(2021〜2025年)」と集計期間によって異なります。通学が始まる前に、出発時刻、止まる場所、ヘルメットのサイズを確認し、自転車に乗るたびにかぶることを家族で話し合っておきましょう。

参考資料