中学校への進学が近づき、子どもがいつまで自転車で歩道を走ってよいのか気になっている保護者の方もいるでしょう。年齢を理由に歩道を走れるのは13歳になるまでです。自転車は車道を通るのが原則ですが、13歳未満の子どもが普通自転車を運転するときは、例外として歩道を通行できます。
ただし、歩道に入れることと、歩道を思いどおりに走れることは別の話です。例外が及ぶ範囲、歩道での走り方の決まり、13歳になった後に変わることを順に説明します。
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子どもが年齢を理由に歩道を走れるのは、13歳未満の間
普通自転車が歩道を通行できる場合は3つあります(道路交通法63条の4第1項)。その2号が運転者に関する例外で、「児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるもの」として政令で定める人が運転するときは、歩道を通れます。児童は6歳以上13歳未満、幼児は6歳未満の人を指します(同法14条3項)。政令で定める人は、児童・幼児のほか、70歳以上の人と、一定の身体の障害がある人です(道路交通法施行令26条)。
| 運転する人の年齢 | 法令上の区分 | 歩道の通行 |
|---|---|---|
| 6歳未満 | 幼児(法14条3項) | 普通自転車なら通行できる |
| 6歳以上13歳未満 | 児童(法14条3項) | 普通自転車なら通行できる |
| 13歳以上70歳未満 | 年齢による例外なし | 標識・標示で認められた場合、一定の身体障害がある場合、又は車道・交通の状況から通行の安全を確保するためやむを得ない場合は通行できる |
| 70歳以上 | 施行令26条2号の対象 | 普通自転車なら通行できる |
年齢による例外は、13歳になると使えなくなります。多くの子どもは中学1年生の間に13歳の誕生日を迎えるため、同じクラスでも誕生日によって扱いが分かれます。学年や進学の時期ではなく、自転車を運転している本人の年齢で決まると覚えておきましょう。
13歳未満でも車道は走れる。歩道を通れるのは普通自転車だけ
自転車は車道通行が原則で、13歳未満でも車道の左側を走れます。道路交通法63条の4第1項は、一定の条件のもとで普通自転車の歩道通行を認める規定で、子どもに歩道通行を義務づけたものではありません。交通量や道幅、本人の運転の様子を踏まえ、保護者と一緒に安全に通れる経路を選びましょう。
歩道通行の例外が使えるのは、乗っている自転車が「普通自転車」に当たる場合です。長さ190cm・幅60cm以内、四輪以下、側車を付けていない、幼児用座席を除いて運転者席以外の乗車装置がない、走行中にブレーキを容易に操作できる、歩行者に危害を及ぼすおそれのある鋭い突出部がない、という基準に加え、他の車両をけん引していないことが必要です(道路交通法63条の3、施行規則9条の2の2)。補助輪は側車に含まれません。警視庁は、普通自転車の基準を満たすか分からない場合に、TSマークの有無を参考にするよう案内しています。
もう一つの限界は、同じ項のただし書きです。警察官や交通巡視員が歩行者の安全のために歩道を通らないよう指示したときは、13歳未満であっても従わなければなりません。
歩道では車道に近い側を、すぐ止まれる速さで進む
歩道に入った後の走り方は、運転者の年齢に関係なく63条の4第2項で決まっています。普通自転車は、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければなりません。徐行とは、直ちに停止できるような速度で進むことです。白線と自転車のマークで「普通自転車通行指定部分」が示された歩道では、その部分を徐行します。
指定部分を通行している、又は通行しようとする歩行者がいないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進めます。歩行者がいる場合は徐行し、自転車の進行が歩行者の通行を妨げるときは一時停止しなければなりません(道路交通法63条の4第2項)。
車道寄りを走るのは、道路沿いの施設や交わる道から出てくる自動車との距離をとり、運転者から自転車を見つけやすくしてブレーキの時間を確保するためです(ルールブックp.18)。建物側の端を走ると、駐車場や店の出入口から出てくる車や人との距離が近くなります。子どもには「指定された部分があればそこを、なければ車道側の半分を、いつでも止まれる速さで」と、場所と速さを具体的に伝えましょう。
歩く人のそばでは止まり、混んでいたら降りて押す
自転車の進行が歩行者の通行を妨げることになるときは、一時停止しなければなりません(63条の4第2項)。前を歩く人を追い越す幅がない、向こうから来る人とすれ違う余裕がない、という場面では、自転車を止めて相手が通り過ぎるのを待つということです。この決まりへの違反には、2万円以下の罰金または科料の罰則が定められています(同法121条1項8号)。
歩道などで警音器をみだりに鳴らしてはいけません(交通の方法に関する教則)。ベルで歩く人に道をあけさせるのではなく、自分が止まるよう子どもに教えておきましょう。歩行者が多いときは、自転車から降りて押して歩きます(兵庫県警察の小学生高学年用ハンドブック)。
令和6年に全国で起きた自転車対歩行者の事故のうち、歩行者が死亡または重傷となった事故の衝突地点は「歩道」が144件(42.4%)で最多でした(ルールブックp.15)。子どもが運転する自転車でも、歩道では歩く人にけがをさせる側になりうることを、家庭で話しておくと安心です。
歩道は左右どちら側も通れるが、路側帯は左側だけ
普通自転車が通行できる歩道は相互通行ができ、道路の右側の歩道を進むこともできます(警視庁)。歩道でほかの自転車と行き違うときは、速度を落として安全な間隔を保ち、歩行者に十分注意して、対向する自転車を右に見ながらよけます(教則)。
注意したいのは、歩道が途切れた先です。歩道のない道路の端に白線で区切られた路側帯は、道路の左側にあるものしか自転車で通れません。白の二本線で示された歩行者用路側帯には入れません。右側の歩道を走ってきた子どもが、歩道の終わりからそのまま道路の右端を進むと、逆走になります。歩道から車道に出るときは、車道と歩道の状況を確かめ、右側通行にならないようにしてください(教則)。
13歳になると車道の左側を走るのが原則になる
13歳になると、13歳未満という年齢による歩道通行の例外は使えなくなります。ただし、普通自転車歩道通行可の標識・標示がある場合、一定の身体障害がある場合、又は車道・交通の状況から通行の安全を確保するためやむを得ない場合には、引き続き歩道を通れます。やむを得ない場合には、道路工事や連続した駐車車両で車道左側の通行が困難な場合や、自動車の交通量が著しく多く車道が狭いため接触事故の危険がある場合などが挙げられています(ルールブックp.18)。歩道に入れる場合でも、歩行者優先の通行方法を守ってください。
違反したときの扱いも年齢で異なります。青切符の対象は16歳以上の人の反則行為で、16歳未満の違反は指導警告が基本です(ルールブックp.4)。単に歩道を通行しているだけの違反も、通常は指導警告です(同p.6)。一方、14歳以上の人が、歩道徐行等義務違反を含む16種類の危険な違反行為で、3年以内に2回以上、検挙又は事故に至った場合には、自転車運転者講習の対象となります(同p.33)。公安委員会が、さらに運転を続けると交通の危険を生じさせるおそれがあると認めた場合に、受講を命じることができます(道路交通法108条の3の5第2項)。
令和2〜6年の合計で、全国の中学生の自転車関連の死亡・重傷事故は1,571件あり、午前7時台(214件)と午後4時台(215件)に多く起きています(ルールブックp.32のグラフ)。通学の時間帯に車道を走るようになる前に、走り方を身に付けておく必要があります。
13歳になる前にいつも通る道を親子で見直す
13歳になると年齢による歩道通行の例外が使えなくなるので、中学校の通学路や塾・習い事への道を、その前に一緒に確かめておきましょう。他の例外で歩道を通れる区間も含め、次の点を地図と現地で見ておくと準備がしやすくなります。
- 「普通自転車歩道通行可」の標識がある区間と、車道を走ることになる区間の境目
- 車道を走る区間に、駐車車両が多い場所や幅の狭い場所がないか
- 歩道から車道に出る場所で、後ろから来る車を確かめられるか
- 通学に自転車を使ってよいか、学校の決まりがあるか
頭を守る準備も忘れないでください。児童・幼児を保護する責任のある人は、子どもが自転車を運転するときに乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければなりません(道路交通法63条の11第3項)。年齢に関係なく運転する本人にも着用の努力義務があるので(同条1項)、13歳を過ぎても着用は続きます。頭の大きさは成長とともに変わるため、中学進学のころにサイズを見直すとよいでしょう。
よくある質問
三輪車や補助輪付きの自転車に乗る幼児も、同じ決まりで歩道を走りますか?
三輪車などの小児用の車を通行させている人には、歩行者と同じ交通規則が適用されます(教則)。一方、自転車に補助輪が付いているだけで、小児用の車になるとは限りません。補助輪は普通自転車の基準でいう側車には含まれません(警視庁)。使用する車がどちらに当たるか判断できない場合は、製品の仕様を確認し、警察に通行方法を相談してください。区分に応じた決まりを守り、歩く人の近くでは速度を抑えて安全を確かめましょう。
付き添う大人も、子どもと一緒なら歩道を走れますか?
13歳未満の例外は、自転車を運転している本人の年齢で判断します。付き添う大人は、70歳以上などに当たる場合を除き、標識で認められた歩道か、車道の状況からやむを得ない場合でなければ車道を走ります。親と子で通る場所が分かれるときの並び方や道の選び方は、親子で走るときの注意をまとめた記事で解説しています。
まとめ
子どもが年齢を理由に自転車で歩道を走れるのは、13歳になるまでです。根拠は道路交通法63条の4第1項2号と施行令26条で、乗っている自転車が普通自転車であることが前提になります。
歩道を走るときも、原則として車道寄りを徐行し、歩く人の邪魔になるときは止まる決まりは大人と同じです。混んでいれば降りて押し、ベルで人をよけさせないことを繰り返し伝えましょう。車道の左側を走るのが原則である点は13歳未満でも変わりませんが、13歳になると年齢による歩道通行の例外は使えなくなります。その前に通学路を一緒に確かめ、歩道を通れる条件や車道へ出る場所を確認し、ヘルメットのサイズも見直しておきましょう。
参考資料
- e-Gov法令検索「道路交通法」(第14条第3項、第63条の4、第63条の11、第121条第1項第8号。2026年10月15日確認)
- e-Gov法令検索「道路交通法施行令」(第26条。2026年10月15日確認)
- e-Gov法令検索「道路交通法施行規則」(第9条の2の2。2026年10月15日確認)
- 警察庁「自転車を安全・安心に利用するために-自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入-(自転車ルールブック)」(PDF・約19MB)(p.4・p.6・p.15・p.18・p.32・p.33。2026年10月15日確認)
- 国家公安委員会「交通の方法に関する教則」(PDF)(第2章第1節、第3章第3節。2026年10月15日確認)
- 警視庁「自転車の交通ルール」(2026年10月15日確認)
- 兵庫県警察「自転車の交通ルールハンドブック(小学生高学年用)」(PDF)(p.7。2026年10月15日確認)
- 兵庫県警察「自転車の交通ルールハンドブック(中学生用)」(PDF)(p.6。2026年10月15日確認)
