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自転車で10kmは何分?|平均速度と所要時間の目安

10km先の職場や学校へ自転車で通うなら、何時に家を出ればよいかが気になります。2009年の論文に載る特定の道路での平均速度を使うと、10kmの走行時間は成人の区分で約41分、児童・高齢者の区分で約53分と計算できます。ただし、自分の所要時間をそのまま予測できる数字ではありません。信号待ちや駐輪にかかる時間を別に見込み、実際の経路で確かめましょう。

距離ごとの走行時間の表と所要時間の計算式、計算に入らない時間、自分の速度の測り方を説明します。

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調査の平均速度で試算すると、10kmは成人約41分、児童・高齢者約53分

JICEの研究員による2009年の論文では、調査対象の自転車の平均速度を「その他(成人)」14.6km/h、「児童・高齢者」11.4km/hとしています。この速度で10kmを走り続けると仮定すると、走行時間はそれぞれ約41分(41.1分)、約53分(52.6分)です。年齢区分だけで個人の速さや所要時間が決まるわけではありません。

ここで出した分数は、論文にある単路部の平均巡航速度で全距離を走ると仮定した計算値です。信号待ち、一時停止、駐輪場への出し入れなどにかかる時間は、別途見込む必要があります。実際の走行速度も人や経路によって変わるため、この値を家から目的地までの所要時間とはみなさないでください。

二つの平均速度で試算した時間差は、10kmで約12分です。家族で同じ道を走る場合や子どもの通学時間を見積もる場合も、大人の感覚だけで出発時刻を決めず、実際に同行する人のペースで経路と所要時間を確かめましょう。

14.6km/hは朝の幹線道路での平均で、国の基準ではない

平均速度の出典は、JICE道路政策グループの岸田真主任研究員による論文「日本の自転車交通の現状と改善への取り組み」です。論文の図-1「速度帯別自転車交通量(市街地・朝ピーク時)」が、都市内の幹線道路2路線の単路部(交差点を除いた区間)で調べた自転車の巡航速度の分布を示し、その中に成人14.6km/h、児童・高齢者11.4km/hの平均値が書かれています。図のもとになったデータは、JICEが2008年にまとめた業務報告書です。

この数値は研究機関の調査結果であり、国や警察が定めた基準速度ではありません。調べた場所は市街地の幹線道路2路線、時間帯は朝のピーク時に限られます。住宅街の細い道、郊外の坂道、休日の河川敷などでは、同じ平均になるとは限りません。

論文では、速度が10km/h以下から20km/h以上まで幅広く分布し、成人の平均は15km/h程度と説明されています。また、当時の外国の設計基準には通勤者の平均速度を20〜30km/hとする例があると紹介しています。いずれも2009年の論文の記述です。調査の平均値は、個人の走行速度や現在の全国平均を示すものではありません。

時速14.6kmで走り続けた場合、5kmは約21分・20kmは約82分

10km以外の距離も、同じ2つの平均速度で計算できます。次の表は、14.6km/hと11.4km/hで各距離を割り、分に直した値です(括弧内は小数第1位まで、表の分は四捨五入)。

距離 成人(14.6km/h) 児童・高齢者(11.4km/h)
1km 約4分(4.1分) 約5分(5.3分)
2km 約8分(8.2分) 約11分(10.5分)
3km 約12分(12.3分) 約16分(15.8分)
5km 約21分(20.5分) 約26分(26.3分)
8km 約33分(32.9分) 約42分(42.1分)
10km 約41分(41.1分) 約53分(52.6分)
15km 約62分(61.6分) 約79分(78.9分)
20km 約82分(82.2分) 約105分(105.3分)

表は、14.6km/h又は11.4km/hで止まらずに走り続けると仮定した時間です。実際には走行速度や信号・坂などの条件が経路ごとに異なるため、所要時間の下限を示すものではありません。15km・20kmの場合も計算例として使い、停止時間や休憩などを含めた予定は実際の経路で確認してください。

同論文が紹介する東京特別区の1998年の調査では、自転車の移動距離は1.5km以下が約8割でした。地域と時期が限られた結果ですが、ふだん駅まで数分走る利用と、片道10kmの通勤・通学では距離が大きく異なります。短距離での感覚だけに頼らず、実際の経路で所要時間を確認しましょう。

走行時間(分)は「距離(km)÷速度(km/h)×60」で計算する

一定の速度で走ると仮定した走行時間(分)は、距離(km)を速度(km/h)で割り、60を掛けると求められます。10kmを14.6km/hで走る場合は、10÷14.6×60で約41分です。1kmあたりでは14.6km/hなら約4.1分、11.4km/hなら約5.3分かかる計算になります。

1kmあたりの分数を覚えておくと、地図で調べた経路の距離にその分数を掛けるだけで、走行時間の見当が付きます。計算に使う距離は直線距離ではなく、実際に通る道に沿った距離にしてください。

逆に、決まった時間で進める距離を知りたい場合は、時速に分数を掛けて60で割ります。14.6km/hなら30分で7.3km、11.4km/hなら30分で5.7kmです。この場合も、信号などで止まっている時間は計算に入っていません。

信号や坂の多い道では、計算した走行時間に余裕を加える

表の計算には、信号待ちや一時停止で止まっている時間を加えていません。自転車も信号と一時停止の標識に従い、安全確認をする必要があります。経路上の停止や発進にかかる時間を見込み、表の走行時間だけで出発時刻を決めないようにしましょう。

自転車は車道通行が原則で、普通自転車が歩道を通行できるのは標識や利用者・道路の状況など所定の条件を満たす場合です。歩道では歩行者を優先し、徐行や一時停止などの通行ルールを守ってください。論文の単路部の平均巡航速度を、歩道を含む自分の経路の速度としてそのまま当てはめることはできません。

上り坂、向かい風、荷物や子どもの同乗などによっても、走りやすさや所要時間は変わります。この記事で引用した平均速度だけでは、個々の勾配や体力、積載条件による時間の増減は計算できません。通勤・通学に使う経路を無理のないペースで走り、必要な時間を確かめましょう。

道路ごとの最高速度や徐行が必要な場所については、別の記事で詳しく解説しています。

自分の平均速度を測って計算し直す

14.6km/hは、論文で調べた特定の道路・時間帯における成人の平均です。自分の所要時間を見積もるには、普段使う経路で時間を測り、信号待ちなども含めた平均速度を出してみましょう。

測るときは、地図で経路の距離を調べ、出発した時刻と到着した時刻を記録します。距離(km)を所要時間(分)で割って60を掛けると、信号待ちなどを含めた自分の平均速度が求められます。この速度を使えば、同じような道を走る別の目的地までの時間も見積もれます。

通勤・通学に使う場合は、実際に使う曜日と時間帯に走るのがおすすめです。時間帯によって信号の待ち方や歩行者の多さが変わり、同じ道でも所要時間が違うことがあります。数回測って一番時間がかかった回を基準にすると、遅刻しにくい出発時刻を決められます。

駐輪場から建物までの徒歩や、鍵を掛けて荷物を下ろす時間も、所要時間に含めて考えましょう。電動自転車で片道10kmを毎日走るときのバッテリーや充電の考え方は、通勤向けの記事で解説しています。

電動アシストの補助は発進や上り坂で強く働く

電動アシスト自転車で10kmの所要時間が何分短くなるかは、この平均速度からは分かりません。論文の図には、電動アシスト車とアシストのない車種を分けた平均速度が示されていないためです。

一般的な電動アシスト自転車では、人の力に対するモーターの補助比率の上限は、10km/h未満で最大2です。10km/h以上は速度が上がるほど上限が下がり、24km/h以上では補助されません。ただし、これは法令上の上限であり、低速時に常に最大の補助が出るという意味ではありません。

信号の多い道や坂のある道では、止まってからの加速や上りで速度が落ちにくくなり、疲れにくさにつながると考えられます。平坦な道を一定の速さで走る区間では、補助の上限が下がっていくため、巡航速度が大きく上がるとは言い切れません。電動アシスト自転車の速度と補助の関係は、次の記事で詳しく説明しています。

よくある質問

自転車で30分走ると何kmくらい進みますか?

論文の平均速度を使い、30分間止まらずに走り続けると仮定すると、14.6km/hで7.3km、11.4km/hで5.7kmです。同じ走行速度でも、30分の中に信号待ちなどの停止が入れば進める距離は短くなります。実際の距離は、自分のペースと経路の条件で変わります。

クロスバイクやロードバイクなら10kmは何分ですか?

論文の平均速度は車種別に分かれていないため、車種ごとの所要時間は示せません。タイヤの細い車種でも、信号や歩道の徐行が必要な場面は同じです。乗っている車種で経路を走り、自分の平均速度を測って計算してください。

まとめ

JICEの論文(2009年)に載っている平均速度から計算すると、自転車で10kmを走る時間は成人で約41分、児童・高齢者で約53分です。この平均速度は、市街地の幹線道路2路線で朝のピーク時に交差点以外の区間を走る自転車を調べた値で、国が定めた基準ではありません。

表は限られた調査の平均速度を使った計算例で、実際の所要時間の下限や保証値ではありません。距離÷速度×60の式で走行時間の見当を付け、信号待ちや駐輪、目的地までの徒歩も含めて考えましょう。通勤や通学に使う道は実際に走り、自分のペースで必要な時間を確かめてください。

参考資料