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自転車の手信号|右左折・停止の合図のしかた

自転車で曲がる前や止まる前に、腕をどの向きに出せばよいか迷ったことはないでしょうか。自転車の手信号は右腕1本で出せ、左折は肘を垂直に上に曲げる、右折は横に水平に伸ばす、停止は斜め下に伸ばすの3つです。右左折の合図は交差点の手前の側端から30m手前で出し始め、曲がり終えるまで続けます。

合図の形と出し始める時期、続ける時間、合図をしなかったときの扱いを順に説明します。基準を満たす電動アシスト自転車に乗る場合も、合図のしかたは同じです。

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手信号は右腕1本で出す3つの形を覚える

自転車の右左折と停止の合図は、いずれも右腕を使う形です(交通の方法に関する教則)。

場面 教則が示す自転車の合図 出し始める時期(施行令第21条)
左折 右腕の肘を垂直に上に曲げる 交差点の手前の側端から30m手前
右折 手のひらを下にして右腕を横に水平に出す 交差点の手前の側端から30m手前
停止・徐行 右腕を斜め下にのばす(停止の合図) その行為をしようとするとき

左折なら「左腕を水平に伸ばす」、右折なら「左腕の肘を垂直に上に曲げる」方法もあります(施行令第21条)。左腕での合図も条文上の合図に当たりますが、教則の右腕の形を覚えておけば、3つの合図をすべて同じ腕で出せます。

右左折・停止・進路変更の前には合図を出す

車両の運転者は、左折、右折、転回、徐行、停止、後退をするとき、同じ方向に進みながら進路を変えるときに、手、方向指示器または灯火で合図をしなければなりません(道路交通法第53条第1項)。条文のかっこ書きで除かれるのは「自転車以外の軽車両」なので、自転車はこの規定の対象です。

合図は、その行為が終わるまで続けます(第1項)。行為が終わったら合図をやめ、その行為をしないのに合図をしてはいけません(第4項)。合図の時期と方法の細かい決まりは政令に任され(第3項)、その中身が施行令第21条の表です。

方向指示器が付いていない自転車では、手による合図になります。方向指示器がある自転車なら、その操作でも合図になります(教則)。

左折の合図は右腕の肘を上に曲げる

左に曲がるときは、右腕を車体の右側の外に出し、肘から先を垂直に上へ向けます(交通の方法に関する教則、施行令第21条)。腕は車体の外まで出してください。

交差点で左折するときは、後方の安全を確かめ、交差点の手前の側端から30mの地点で左折の合図を出し、できるだけ道路の左端に沿って十分に速度を落とし、横断中の歩行者の通行を妨げないように注意して曲がります(教則)。合図は後方への安全確認の後に出すので、振り返る、ミラーを見るなどして後ろの車や自転車を確かめてから腕を出しましょう。

ミラーを付ける場合も、目視による確認と合図は省けません。取付位置や見え方は「自転車用バックミラーの選び方」で扱っています。

右折の合図は右腕を横に水平に伸ばす

右に曲がる合図は、手のひらを下にして、右腕を横にまっすぐ出す形です。施行令第21条でも、右折または転回の合図は「右腕を車体の右側の外に出して水平に伸ばす」方法です。

信号機などによる交通整理が行われていない交差点で右折するときは、まず後方の安全を確かめ、交差点の手前の側端から30mの地点で合図を出します。できるだけ道路の左端に寄って交差点の向こう側までまっすぐ進み、十分に速度を落として曲がります(教則)。合図を出した後も道路の中央へは寄らず、左端に寄ったまま進む点が自動車の右折と異なります。

同じ形の合図は、同じ方向に進みながら右へ進路を変えるとき(駐車車両の横を通るときなど)にも使います。このときの時期は「その行為をしようとする時の3秒前」です。

停止・徐行の合図は、ブレーキの前に右腕を斜め下に出す

止まるときと徐行するときの合図は、腕を斜め下に伸ばす形です。施行令第21条では「腕を車体の外に出して斜め下に伸ばすこと」、教則では自転車の停止について「右腕を斜め下にのばすこと」とされています。徐行とは、道路交通法第2条で「直ちに停止することができるような速度で進行すること」と定義されています。

教則は、道路の左端に沿って止まり、左側に降りる際の手順として、安全を確かめて早めに停止の合図を行い、まず静かに後輪ブレーキを掛けて十分に速度を落とす、と説明しています。ここでは、停止する前に安全を確かめ、早めに合図を出すという順序を押さえておきましょう。

施行令の表では、停止・徐行の合図の時期は「その行為をしようとするとき」です。右左折のように30m手前という距離の定めはありません。

右左折の合図は曲がる地点の30m手前、進路変更は3秒前から

合図を出し始める時期は、場面によって距離で決まるものと時間で決まるものがあります。自転車に関係する場面は次のとおりです(施行令第21条の表)。

場面 出し始める時期
交差点で左折・右折する 交差点の手前の側端から30m手前の地点に達したとき
交差点以外で左折・右折する(道路外の駐車場へ入るなど) 曲がろうとする地点から30m手前の地点に達したとき
同じ方向に進みながら左右へ進路を変える 進路を変えようとする時の3秒前
徐行・停止する その行為をしようとするとき

交差点で曲がる場合、30mは曲がる角ではなく「交差点の手前の側端」から測ります。走り慣れた道なら、30m手前にある電柱や建物を目印として覚えておくと、毎回同じ位置で合図を出しやすくなります。右左折の合図は、できるだけ早めに出しましょう(教則「自転車の正しい乗り方」)。

合図は曲がり終わるまで続け、終わったらやめる

合図は、その行為が終わるまで続けなければなりません(道路交通法第53条第1項)。左折の合図なら左折を終えるまで、進路変更の合図なら進路を変え終えるまでが、合図を続ける期間です。

一方で、自転車は両手でハンドルを確実に握って運転し、合図をする場合のほかは片手運転をしてはいけません(教則)。合図をしている間の片手運転は、この例外に当たります。

曲がり終えたら腕を戻し、両手でハンドルを握ります。行為を終えたら合図をやめ、その行為をしないのに合図をしないことも決まりです(第53条第4項)。曲がるのをやめたのに合図を出したまま直進したり、曲がるつもりがないのに曲がる合図を出したりすると、後ろの車両や歩行者が進路を読み違えるおそれがあります。

信号のある交差点の右折は二段階で進む

自転車の右折は、自動車とは進み方が違います。信号機などで交通整理が行われている交差点では、青信号で交差点の向こう側までまっすぐ進み、その地点で止まって右に向きを変え、前方の信号が青になってから進みます(教則)。自動車が右向きの青矢印で右折できる場面でも、自転車は進めません。

この信号機のある交差点での右折方法について、教則の説明には右折の合図が出てきません。合図に触れているのは、信号機のない交差点の右折方法です。ただし道路交通法第53条第1項は右折時の合図を求める規定で、信号機の有無で分けていません。交差点の向こう側で止まる動作も、条文の「停止」に当たると読めます。信号機のある交差点でどの時点に何の合図を出すかを明記した公式資料は見当たらないため、迷う場合は所轄の警察署に確かめてください。

走る位置や従う信号を含めた右折の全体は「電動自転車の交通ルール」で解説しています。

環状交差点を出るときも左折と同じ形で合図する

ラウンドアバウトとも呼ばれる環状交差点では、合図の時期が普通の交差点と異なります。環状交差点を出るときの合図は、出ようとする出口の一つ手前の出口の側方を通過したときに出します(道路交通法第53条第2項、施行令第21条第2項)。入ってすぐの出口から出る場合は、環状交差点に入ったときです。

合図の形は、右腕の肘を垂直に上に曲げる、左折と同じ形です(教則)。環状交差点に入るときの合図は条文の表に含まれていません。環状交差点の中では、あらかじめできるだけ道路の左端に寄り、側端に沿って十分に速度を落として通行します(教則)。

合図をしないと反則金5,000円の対象になる

2026年4月1日から、16歳以上の人が自転車で一定の交通違反をした場合に、青切符(交通反則通告制度)が適用されています。合図をしない「合図不履行」(第53条第1項・第2項)と、不要な合図や合図をやめない「合図制限違反」(第53条第4項)は、いずれも反則金5,000円の対象です(警察庁 自転車ルールブック(令和7年9月)資料1「法上、自転車が対象とされている反則行為」)。

罰則の条文は、道路交通法第120条第1項第6号です。第53条第1項・第2項・第4項に違反した者は5万円以下の罰金と定められています。

青切符の導入後も、自転車の交通違反には基本的に指導警告を行い、交通事故の原因となるような悪質・危険な違反を検挙の対象とする考え方は変わりません(同ルールブック)。合図は後ろの車両に進路を伝える手段であり、反則金の有無にかかわらず必要です。対象違反の一覧や手続の流れは「電動自転車の青切符とは?」で解説しています。

電動アシスト自転車でも合図のしかたは同じ

人の力を補うため原動機を用いるもので内閣府令の基準に該当するものは、法律上の「自転車」に含まれます(道路交通法第2条第1項第11号の2)。基準を満たす電動アシスト自転車は法律上の自転車なので、この記事で説明した合図の形、時期、続ける期間、反則金の扱いがそのまま当てはまります。第53条や施行令第21条に、アシストの有無で合図を分ける定めはありません。

基準を満たさない電動の乗り物は、法律上の自転車に当たりません。自転車の手信号の説明を当てはめる前に、乗っている車体が基準に適合した電動アシスト自転車かを、メーカーの型式や取扱説明書で確かめておきましょう。

駐車車両をよけるなど、進路変更の合図が必要な場面は追越しのときにも起こります。追い越す側・追い越される側の注意は「自転車で追い越すとき・追い越されるとき」で扱っています。

よくある質問

左腕を横に出して左折の合図をしても違反ではありませんか?

施行令第21条には、左折の合図として「左腕を車体の左側の外に出して水平に伸ばす」方法もあるため、この形でも条文上の合図に当たります。なお、教則では自転車の左折の合図は右腕の形で示されています。

後ろに車がいないときも手信号は必要ですか?

道路交通法第53条第1項には、後続車がいない場合に合図を省いてよいという定めはありません。条文を読む限り、周囲の車両の有無にかかわらず合図が必要です。見えていない車両や自転車が後ろにいることもあります。

合図を出した後で曲がるのをやめたときはどうしますか?

腕を戻して合図をやめてください。合図に係る行為をしないのに合図をしてはならず(第53条第4項)、違反は「合図制限違反」として反則金5,000円の対象です。

まとめ

自転車の手信号は、教則の示す形では、左折が右腕の肘を垂直に上に曲げる、右折が右腕を横に水平に出す、停止が右腕を斜め下にのばすの3つです。右左折は交差点の手前の側端から30m手前、進路変更は3秒前、停止・徐行はその行為をしようとするときに出し始めます。

合図は曲がり終えるまで続け、終わったらやめます。片手運転は合図をする場合を除いて認められていないため、腕を戻した後は両手でハンドルを握りましょう。合図不履行と合図制限違反は、16歳以上なら青切符の対象で反則金は5,000円です。基準を満たす電動アシスト自転車にも、同じ決まりが当てはまります。

参考資料