本文へスキップ
CYCLE i暮らしに寄り添う自転車
CYCLE i / コラム
CYCLE i COLUMN

電動自転車と原付はどっち?|免許・費用・走り方の違い

駅までの通勤や毎日の買い物に、電動アシスト自転車と一般原付のどちらを使うか迷っていませんか。免許を持っていない人や幼児を同乗させたい人は、電動アシスト自転車が候補になります。幼児同乗には対応する車体・座席などの条件があり、地域によっては自転車保険への加入も必要です。ペダルをこがずに移動したい場合は、免許などの条件を満たしたうえで一般原付を検討しましょう。

基準を満たす電動アシスト自転車は、道路交通法上の自転車です。比較する原付は、エンジンやモーターで走る一般原動機付自転車で、特定小型原動機付自転車は含めません。免許、税金と保険、速度、右折、ヘルメット、同乗の条件について、2025年4月に加わった新基準原付も含め、2026年10月時点の決まりを確認します。

CYCLE iで通勤・買い物向けの電動アシスト自転車を比べる

免許やナンバーの手続をせずに乗り始められる自転車の中から、シティサイクル、子供乗せ、折りたたみなどのタイプ別に候補を探せます。

免許・税金・自賠責がいらないのは電動アシスト自転車

選ぶときに差が出る項目は次のとおりです。表の「原付」は、二輪の一般原動機付自転車を指します。総排気量50cc以下の従来の原付、2025年4月に加わった新基準原付、定格出力0.60kW以下の電動原付を比較し、特定小型原動機付自転車は含めません。「電動アシスト自転車」は、道路交通法令の基準に適合する車体に限ります。

項目 原付(一般原動機付自転車) 電動アシスト自転車
運転免許 原付免許(16歳以上)、または普通免許など 不要
ナンバープレート 市区町村が交付する白色の標識 なし
軽自動車税(種別割) 標準税率で年2,000円(市区町村により異なる場合あり) 課税対象に含まれない
自賠責保険・共済 加入しなければ運転できない 対象外。兵庫県などは条例で自転車保険の加入義務あり
速度とモーター補助 一般道路の法定最高速度は30km/h。より低い指定速度があれば従う 24km/h以上では補助がなくなる。24km/hは走行速度の上限ではなく、指定速度等の交通ルールに従う
交差点の右折 原則は小回り右折。交通整理のある所定の交差点では二段階右折。標識や一方通行の条件も確認 二段階右折。左端に寄り、交差点の側端に沿って徐行する
ヘルメット 着用しないで運転してはならない 着用の努力義務
人を乗せること 乗車人員は運転者1人まで 原則禁止。幼児用座席での幼児の同乗は公安委員会規則で認められている

手続の少なさなら電動アシスト自転車、こがずに進めることなら原付、という一面だけでは決まりません。乗る人の年齢、子どもを乗せるか、通る道路の車線数などで答えが変わります。

一般原付は16歳以上で免許が必要、電動アシスト自転車は免許不要

自動車と一般原動機付自転車を運転するには、公安委員会の運転免許が必要です(道路交通法第84条)。原付免許を受けられるのは16歳からです(第88条第1項第1号)。普通免許や普通二輪免許を持っていれば、別に原付免許を取らなくても一般原動機付自転車を運転できます(第85条第2項)。16歳未満の人は原付を運転できないため、通学の手段として比べる場合も、まず年齢と免許の条件を確かめてください。

一方、基準を満たす電動アシスト自転車は自転車として扱われ、免許はいりません。道路交通法と施行規則には、電動アシスト自転車を運転する人の年齢を定めた規定もありません。これは条文に要件がないことからの読み取りであり、子どもが安全に乗れるかどうかは、車種ごとの適応身長やブレーキへの手の届き方で別に確かめる必要があります。

注意したいのは、「電動自転車」という商品名でも、スロットルだけで走れる車両やアシストの比率が基準を超える車両は原付などに当たる点です。その場合は免許、ナンバー、自賠責保険がなければ公道を走れません。見分け方は「フル電動自転車は違法?」、3つの区分と免許の関係は「電動自転車に免許は必要?」で解説しています。

新基準原付は125cc以下で最高出力4.0kW以下

2025年4月1日から、総排気量50cc以下の従来の原付に加えて、総排気量125cc以下の二輪車のうち最高出力が4.0kW以下のものも原付免許で運転できるようになりました(警察庁)。これが「新基準原付」と呼ばれる区分です。二輪で最高出力4.0kW以下の原動機を持つものは、総排気量の上限が0.125リットルです(道路交通法施行規則第1条の2)。

125ccのスクーターと同じように見えても、一般原付とは限りません。総排気量が50ccを超え125cc以下で、最高出力が4.0kWを超える二輪車は、新基準原付の対象外で、原付免許では運転できません。排気量だけでなく、最高出力と車両区分をカタログや販売店で確かめましょう。中古車も型式や販売証明書などで区分を確認してください。

電動の原付は、排気量ではなくモーターの定格出力などで区分されます。ここで比較するのは、定格出力0.60kW以下の電動二輪車のうち、特定小型原動機付自転車等に該当しない一般原動機付自転車です。一般原付を公道で運転するには、ガソリンの原付と同様に免許、ナンバー、自賠責保険などが必要です。

一般原付は軽自動車税の納付と、自賠責保険の加入・更新が必要

原付を持つと、毎年4月1日時点の所有者に、市区町村の税である軽自動車税(種別割)がかかります。二輪で総排気量50cc以下の原付の標準税率は年2,000円で、新基準原付も2025年度以後は同じ2,000円です。ただし、標準税率は市区町村が税額を決める際の基準で、上限(制限税率)は標準税率の1.5倍です(総務省)。実際の税額は住んでいる市区町村の案内で確かめてください。

ナンバープレートにあたる課税標識も市区町村が交付し、新基準原付には50cc以下の原付と同じ白色の標識が交付されます。購入したら申告の窓口で手続をする必要があり、手続の詳細も市区町村に問い合わせます。

保険では、自賠責保険・共済への加入が原付にも義務づけられています。加入しないで運転すると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、違反点数6点の処分の対象になります(国土交通省)。補償は人身事故の対人賠償に限られ、物損事故は対象外です。保険期間が切れないように、更新時期の管理も欠かせません。

電動アシスト自転車は軽自動車税の課税対象ではなく、自賠責保険への加入も必要ありません。ただし、兵庫県では2015年10月から、条例により自転車損害賠償保険等への加入が義務づけられています。加入済みの保険の特約で補償される場合もあるため、内容は「兵庫県の自転車保険加入義務」で確認してください。

ガソリンの原付は給油が必要で、電動アシスト自転車はバッテリーの充電が必要です。充電は車種に指定された充電器と方法で行ってください。バッテリーは使用に伴って劣化し、長く使う間に交換費用がかかることもあります。購入価格だけでなく、こうした維持費も比べましょう。電動自転車の費用面を含む欠点は「電動自転車のデメリットは?」で整理しています。

一般原付の法定速度は30km/h、電動アシスト自転車は24km/h以上で補助が止まる

高速道路以外の一般道路での原付の最高速度は30km/hです(道路交通法施行令第11条)。自動車が60km/hで走れる幹線道路でも、原付の上限は変わりません。標識でそれより低い速度が指定されていれば、その速度に従います。

電動アシスト自転車は、ペダルをこぐ人の力をモーターが補う乗り物です。補助比率の上限は速度に応じて下がり、24km/h以上では補助されません(施行規則第1条の3)。ペダルをこがずに動力で走りたい人には、一般原付が候補になります。ただし、原付でも車体を支えたり操作したりする力は必要です。ペダルをこぎながら、発進や坂道などで補助を受けたい人は電動アシスト自転車を検討しましょう。

自転車には施行令の法定速度の数値がありませんが、最高速度の標識がある道路ではその速度を守ります。この点は「自転車に速度制限はある?」で詳しく扱っています。

右折は、自転車は常に二段階、原付は交差点で変わる

一般原付の右折方法は交差点によって変わります。小回り右折では、原則として道路の中央に寄り、交差点の中心のすぐ内側を徐行します。一方通行では右端に寄り、標識等で通行部分が指定されていれば従います(道路交通法第34条第2・4項)。交通整理が行われ、進行方向に車両通行帯が3つ以上ある道路や、標識で二段階右折が指定された道路では、左端に寄って交差点の側端に沿って徐行する二段階右折が必要です。ただし、多通行帯道路でも小回り右折を指定する標識がある場合は、その指定に従います(同条第5項)。

電動アシスト自転車は、右折するときに、あらかじめできる限り道路の左端に寄り、交差点の側端に沿って徐行します(道路交通法第34条第3項)。道路の広さや信号の有無にかかわらず、いわゆる二段階右折を行います。信号のある交差点では、進む方向の信号にも従ってください。

原付は交差点ごとに右折方法を確認し、自転車は二段階右折を基本として、信号など現場の通行ルールに従います。通勤経路に大きな交差点が多い場合は、使う乗り物を想定して経路を下見しておくと安心です。歩道や自転車道を含めた自転車の走り方は「電動自転車の交通ルール」で解説しています。

原付と電動アシスト自転車で異なる、ヘルメットと幼児同乗のルール

一般原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらずに運転してはいけません(道路交通法第71条の4第2項)。自転車の運転者は、着用の努力義務です(第63条の11)。義務の強さは違っても、転んだときに頭を守るために、電動アシスト自転車でもかぶって出かけましょう。

一般原付の乗車人員は運転者1人までなので、子どもを同乗させて保育園へ送ることはできません(道路交通法施行令第23条)。自転車も二人乗りは原則禁止ですが、兵庫県では、16歳以上の運転者が小学校就学前の子1人を幼児用座席に乗せるなど、所定の条件で同乗が認められます。幼児2人を座席に乗せる場合は幼児二人同乗基準適合自転車が必要です。送り迎えに使うなら、子どもの人数や年齢・身長・体重に適合する車体と座席を選んでください。

買い物に使う場合は、荷物を載せる場所と重量の上限を比べましょう。積載装置を備えた一般原付の積載物は30kgまでです(施行令第23条)。兵庫県では、積載装置を備えた自転車にも30kg以下という制限があります。いずれも車体やカゴ・荷台ごとの上限、大きさや積み方の制限を守る必要があります。カゴや荷台が付くかどうかだけでなく、普段の荷物を無理なく載せられるかを車種ごとに確認してください。

運転者の年齢・幼児同乗の有無・ペダルをこぐ負担で選ぶ

まず年齢と免許、幼児同乗への対応、充電できる場所など、利用に欠かせない条件を満たす乗り物に絞りましょう。そのうえで、荷物の載せ方やペダルをこぐ負担、維持費を比べてください。

あなたの条件 候補になりやすい乗り物 理由
16歳未満が使う、または免許を持っていない 電動アシスト自転車 原付は免許がなければ運転できない
幼児を乗せて送り迎えをする 幼児同乗に対応した電動アシスト自転車 一般原付は運転者1人まで。自転車も運転者・子ども・人数・車体・座席の条件を満たす必要がある
ペダルをこがずに動力で移動したい 一般原付 電動アシスト自転車のモーターは、人がペダルをこぐ力を補う仕組み
税金・自賠責の手続と更新を増やしたくない 電動アシスト自転車 軽自動車税・自賠責保険の対象外
自宅にバッテリーを充電する場所がない 原付(ガソリン車) 電動アシスト自転車はバッテリーの充電が必要

駐輪場所も事前に確かめておきたい点です。駅や勤務先、よく行く店の駐輪場が原付を受け入れているか、料金はいくらかを、施設の案内で確認しましょう。

電動キックボード(特定小型原付)も候補に入れている人は、「電動キックボードと電動アシスト自転車の違い」もあわせて読むと、3つの乗り物の違いを比べやすくなります。

よくある質問

普通自動車の免許で新基準原付を運転できますか?

運転できます。道路交通法第85条第2項により、普通免許を受けた人は一般原動機付自転車も運転でき、新基準原付は一般原動機付自転車に含まれます。ただし最高出力が4.0kWを超える125ccの車両は原付二種で、普通免許だけでは運転できません。購入前に車両の最高出力を確認してください。

電動スクーター(電動の原付)にも軽自動車税はかかりますか?

かかります。総排気量50cc以下または定格出力0.6kW以下の原付の税率は2,000円です(総務省の通知)。ナンバーの交付を受ける手続も必要です。税額は市区町村によって異なる場合があるため、登録する市区町村で確かめましょう。

まとめ

今回比較した一般原付は、新基準原付も含め、16歳以上で対応する有効な免許を持つ人が運転します。ナンバーの取得、軽自動車税の納付、自賠責保険への加入などが必要です。一般道路の法定最高速度は30km/hで、より低い指定速度があれば従います。ヘルメットの着用が義務づけられ、乗車人員は運転者1人までです。

基準を満たす電動アシスト自転車には免許とナンバーが不要で、軽自動車税や自賠責保険の対象にもなりません。ただし、兵庫県などでは自転車保険への加入が必要です。幼児の送り迎えには、同乗の条件に適合する車体と座席を選びます。ペダルをこぐ必要があり、バッテリーの充電場所も欠かせません。まず年齢・免許・同乗・充電・駐輪の条件を満たす候補に絞り、その中から走る道や使い方に合う乗り物を選びましょう。

参考資料