買い物袋や部活の道具などを、自転車の荷台やかごで運ぶときは、重さと大きさの両方を確認しましょう。兵庫県では、積載装置のある自転車の荷物は原則30kgまでです。長さ・幅は荷台やかごの寸法、高さは荷物を置く面の地面からの高さを基準に決まります。ただし、車体や荷台・かごのメーカーが指定する上限がこれより低い場合は、その範囲を守る必要があります。
この制限は、道路交通法第57条第2項にもとづいて県の公安委員会が定めたもので、電動アシスト自転車にも同じ数値が当てはまります。上限の測り方と、違反した場合の扱いまで説明します。
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荷物の長さ・幅・高さは、荷台やかごを基準に確認する
兵庫県道路交通法施行細則第7条は「軽車両の乗車又は積載の制限」を定めた条文で、第1号が乗車人員、第2号が重量、第3号が長さ・幅・高さ、第4号が積み方(はみ出し)です。自転車に関係する部分は次のとおりです。
| 項目 | 自転車の上限(細則第7条) |
|---|---|
| 重さ | 積載装置を備える自転車は30kg(重荷用の構造のものは60kg) |
| 長さ | 積載装置の長さに0.3mを加えたもの |
| 幅 | 積載装置の幅に0.3mを加えたもの |
| 高さ | 2mからその積載をする場所の高さを減じたもの |
| 前後のはみ出し | 積載装置の前後から0.3mを超えない |
| 左右のはみ出し | 積載装置の左右から0.15mをそれぞれ超えない |
長さと幅の上限は、荷物を載せる荷台やかごの寸法から計算します。高さの上限には、地面から荷物を置く面までの高さが必要です。これらに加えて、荷台やかごからどれだけはみ出すかも確認してください。はみ出しの限度は、前後から30cm、左右それぞれ15cmです。
兵庫県の積載重量の上限と、荷台・かごの耐荷重は分けて確認する
積載装置を備える自転車の積載物は30kgまでです(第2号ア)。括弧書きで、重荷用の構造の自転車は60kgとされています。重荷用の構造が具体的にどのような車体を指すかは、第7条の中では定義されていません。運搬用として販売されている車体でも、60kgの枠が使えるかを自分で決めず、車体メーカーや最寄りの警察署に確かめてください。
荷物を量るときは、袋やケースなども含めて実際に載せる重さを確認しましょう。飲料の箱などを複数運ぶ場合も、県の30kgだけでなく、車体やかご・荷台の上限を超えないことが必要です。帰り道に買い足す予定がある日は、その分も見込んで荷物を減らしておきましょう。
自転車が引くリヤカーについては、リヤカーに積む荷物が120kgまでと別に定められています。自転車本体の積載重量とは別に確認してください。けん引装置などの条件は、後の「よくある質問」で説明します。
荷物の長さ・幅の上限と、荷台からはみ出せる範囲
長さ(前後方向)と幅(左右方向)の上限は、どちらも積載装置の寸法に0.3mを加えた値です。たとえば幅は、荷台の幅を測ってそこに30cmを足した値が上限になります。
積み方として、はみ出しの範囲も決まっています(第4号)。前後は積載装置から30cmまで、左右は片側ごとに15cmまでです。荷物の幅が「積載装置の幅+30cm」以内でも、片側に20cmはみ出せば、その側の15cmという限度を超えます。荷物全体の寸法と、各方向へのはみ出しを別々に確かめてください。
前後両方にはみ出すように荷物を載せる場合は、前後へのはみ出しの合計を30cm以内に収めます。荷物そのものの長さが「積載装置の長さ+30cm」を超えてはいけないためです。釣り竿や長い棒などは、載せる前に全長を確認してください。長い荷物を運ぶ具体的な方法は、別の記事で紹介しています。
荷物の上端は地面から2m以内に収める
荷物そのものの高さの上限は、2mから荷物を置く場所の高さを引いた値です(第3号ウ)。兵庫県警察も、2mから積載装置までの高さを引くと案内しています。
地面から荷台やかごの荷物を置く面までの高さを測り、2mから引くと、荷物の高さの上限が分かります。たとえば置く面が地面から80cmなら、県の規定による荷物の高さの上限は120cmです。地面から荷物の上端までを2m以内に収める計算ですが、車体側の高さの指定や、視界・安定を妨げない条件も守る必要があります。
普段の買い物で高さの上限に届くことは少ないでしょう。ただ、段ボール箱を何段も重ねたり、長い物を立てて縛ったりすると、上限に届く前に重心が高くなり、ふらつきやすくなります。高さの数値に余裕があっても、前方や後方の見え方とバランスを優先してください。
自宅で荷台を測り、荷物を載せた状態を確かめる
荷物を載せる荷台やかごごとに、前後の長さ、左右の幅、地面から荷物を置く面までの高さを測ります。かごの場合も、荷台の高さを代用せず、かごの底面の高さを確かめてください。長さ・幅はそれぞれ30cmを加え、高さは2mから置く面の高さを引くと県の上限が出ます。メーカーの積載条件もあわせてメモしておくと、買い物先で確認できます。
重さは、安全に持てる荷物なら、荷物を持って体重計に乗った値から自分の体重を引いて量れます。袋や容器の重さも含めて確認してください。米などの内容量表示は目安になりますが、灯油の「L」は容量であり、「kg」の重量とは違います。重い物を無理に抱えず、適したはかりを使うか販売店に確認しましょう。
実際に積んだら、平らな場所で車体を安定させ、必要に応じて支えながら後ろや上から荷物の位置を確認します。荷台の端からのはみ出し、荷物の固定、後ろの反射器や尾灯が隠れていないことを確かめてから走り出しましょう。
県の積載制限と、車体・荷台・かごの上限のうち厳しいほうを守る
細則の30kgは道路を走るときのルールで、自転車の部品が30kgに耐えられるという意味ではありません。荷台やかごには、それぞれメーカーが決めた最大積載質量があります。たとえばパナソニックの「ビビ・DX」(BE-FD434・BE-FD634)では、次のとおりです(取扱説明書p.44〜45)。
| 積む場所 | ビビ・DXの取扱説明書の上限 |
|---|---|
| フロントバスケット | 3kgまで。大きさはバスケットに収まり、前方が見やすい高さまで |
| リアキャリア(クラス表示27) | 27kgまで |
| 荷物だけを前後に積む場合 | 前かご3kgまで、リアキャリア27kgまで、合計30kgまで。子ども同乗時は別の条件を確認する |
| リアキャリアの荷物の大きさ | 幅はキャリアの幅+左右各10cm、長さはキャリアの長さ+10cm、高さはキャリアから30cmまで |
この車種では、かご3kg・左右のはみ出し各10cmと、細則よりも厳しい値が示されています。県の上限と車体側の上限のうち、低い方を守る必要があります。最大積載質量を超えると、バスケットやリアキャリア、フレームが破損するおそれもあります(同取扱説明書)。キャリヤのクラス表示の見方は、関連記事で詳しく説明しています。
荷物が増えるとバッテリーの電力消費が増え、アシストで走れる距離が短くなります。満載時は、空荷のときと操舵性や制動性能も変わります(同取扱説明書)。電動アシスト自転車で重い荷物を運ぶ日は、ブレーキを早めにかけ、坂の下りでは速度を抑えましょう。
数値の範囲内でも視界や安定を損なう積み方は禁止
細則第7条の数値を守っていても、積み方によっては別の規定に違反します。運転者の視野やハンドル操作を妨げる積載、車両の安定を害する積載、外から方向指示器や制動灯、尾灯、後部反射器が見えなくなる積載をして運転してはいけません(道路交通法第55条第2項)。後ろの荷台に大きな箱を載せて反射器を覆ってしまう積み方は、この規定に触れるおそれがあります。
積んでいる物が落ちたり飛び散ったりしないよう、必要な措置をとる義務もあります(道路交通法第71条第4号)。荷台の荷物はゴムロープなどで固定し、走行中に動かないようにしてください。
荷台やかごに載せず、手に持ったり肩に担いだりする運び方にも決まりがあります。傘を差す、物を担ぐ、物を持つなど、視野を妨げたり安定を失ったりするおそれのある方法で自転車を運転してはいけません(兵庫県道路交通法施行細則第9条第10号)。ハンドルに買い物袋を下げるのも避けてください。手やハンドルにかけた荷物やひもが車輪に巻き込まれ、バランスを崩して転倒するおそれがあります(ビビ・DX取扱説明書p.14)。
積載制限違反は反則金3,000円の対象
細則第7条の積載制限に違反した場合の罰則は、2万円以下の罰金又は科料です(兵庫県警察)。根拠は道路交通法第121条第2項第1号で、第57条第2項にもとづく公安委員会の定めに違反したときが対象です。
2026年4月1日からは、16歳以上の自転車の運転者には青切符(交通反則通告制度)も使われます。第57条第2項の違反は「軽車両乗車積載制限違反」として反則金3,000円です(警察庁 自転車ルールブック 令和7年9月、資料1)。積み方に関する違反は、次のように分かれています。
| 反則行為の名称 | 根拠条文 | 反則金 |
|---|---|---|
| 軽車両乗車積載制限違反 | 道路交通法第57条第2項 | 3,000円 |
| 乗車積載方法違反 | 道路交通法第55条第1項・第2項 | 5,000円 |
| 転落等防止措置義務違反 | 道路交通法第71条第4号 | 5,000円 |
| 公安委員会遵守事項違反 | 道路交通法第71条第6号 | 5,000円 |
細則第9条第10号が禁じる、視野を妨げたり安定を失うおそれのある方法で物を担ぐ・持つ運転は、第71条第6号に基づく公安委員会の遵守事項に当たり、表の最後の行に対応します。青切符の手続や反則金を納めなかった場合の扱いは、関連記事で解説しています。
よくある質問
子どもを幼児用座席に乗せているとき、子どもの体重も30kgに含まれますか?
細則第7条は、幼児用座席の子どもを乗車人員、荷物を積載物として別に定めています。ただし、車体や座席の重量制限は別途守る必要があります。ビビ・DXでは、後部座席と幼児の合計が27kgまで、幼児の体重は22kgまでです。この体重には衣服・靴・ヘルメットなど身に着ける物を含みます。後ろに幼児を乗せて前かごも使う場合は、幼児の体重と前かごの荷物の合計が25kgまでで、前かごは3kgまでです。差し引いた重さだけで追加の荷物を決めず、車体と座席の取扱説明書にある年齢・身長・積み方などの条件も確認してください。
大阪府など兵庫県の外へ自転車で出かけるときも、同じ数値でよいですか?
自転車の積載制限は、道路交通法第57条第2項にもとづき都道府県の公安委員会がそれぞれ定めています。県境を越える場合は、走る先の都府県の道路交通規則も確認しましょう。
分けられない大きな荷物で、上限を超えてしまう場合はどうすればよいですか?
貨物が分割できないために公安委員会の定める制限を超える場合は、出発地を管轄する警察署長が支障がないと認めて許可すれば、許可の範囲内で運べます(道路交通法第57条第3項)。許可が出るかどうかは警察署の判断なので、運ぶ前に出発地の警察署に相談してください。分けて運べる荷物は、往復を増やすか車での運搬を検討しましょう。
リヤカーを自転車で引くとき、荷物は何kgまで積めますか?
自転車が引くリヤカーの積載物は120kgまでです(細則第7条第2号ア)。ただし、自転車にけん引用の装置が付いていることが前提です。けん引するための装置を有する自転車が、けん引されるための装置を有する車両1台を引く場合を除いて、けん引は禁じられています(細則第8条)。電動アシスト自転車で引けるかどうかは、車体メーカーの取扱説明書で確かめてください。
まとめ
兵庫県では、積載装置のある自転車の荷物は原則30kgまでです。長さ・幅は荷台やかごの寸法に30cmを足した値までで、はみ出しも前後から30cm、左右それぞれ15cm以内に収めます。前後の両方にはみ出す場合も、荷物の全長の上限を超えてはいけません。高さは2mから荷物を置く面の地上高を引いた値までです。
軽車両乗車積載制限違反の反則金は3,000円で、自転車の青切符は16歳以上が対象です。刑事罰には2万円以下の罰金又は科料が定められていますが、反則金と罰金が自動的に両方科されるわけではありません。数値内でも視界・安定を損なったり、反射器を隠したりする積み方は別の違反となり得ます。県の制限と車体・キャリヤ・かごの指定を両方確かめてから載せましょう。
参考資料
- 兵庫県警察「兵庫県道路交通法施行細則」(PDF)(第7条、第8条、第9条第10号。2026年10月15日確認)
- 兵庫県警察「自転車に係る主な交通ルール等(乗車人員、過積載重量等の制限)」(積載物の重量・大きさ・はみ出しの案内と罰則。2026年10月15日確認)
- e-Gov法令検索「道路交通法」(第55条第2項、第57条第2項・第3項、第71条第4号・第6号、第121条第2項第1号。2026年10月15日確認)
- 警察庁「自転車を安全・安心に利用するために-自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入-(自転車ルールブック)」(PDF・約19MB)(p.48、資料1。2026年10月15日確認)
- パナソニック サイクルテック「取扱説明書 電動アシスト自転車 ビビ・DX BE-FD434・BE-FD634」(PDF)(NYT2168。p.14の荷物をかけない注意、p.44〜45の積載条件。2026年10月15日確認)
