自転車のカゴカバーの防水性を比べるときは、「防水生地」という表示だけでは足りません。縫い目、ファスナー、カゴとの隙間から水が入る可能性があるためです。
前用・後ろ用の別、カゴの外寸と形、固定部の位置を確かめ、荷物は必要に応じて個別の防水バッグに入れましょう。
カゴに合うカバーを比較
cycle-iでは前・後ろ用のバスケットカバーを掲載しています。装着可能サイズと開閉方法を確認してください。
防水・はっ水・耐水は同じではない
防水は水を通しにくくする性能、はっ水は表面で水をはじきやすくする加工を指すのが一般的です。耐水圧の数値がある場合も、主に生地の試験値であり、製品全体への浸水を保証するとは限りません。
パナソニックのフロント用バスケットカバーNSAR153とNSAR155は、いずれも材質がポリエステル100%のはっ水加工です。商品名にカバーとあっても仕様欄の表記ははっ水にとどまる例があるため、防水と読み替えず材質欄を確かめます。
雨の入り口は生地以外にもある
縫い目、ファスナーの合わせ目、ふたの重なり、ハンドル側の開口部は水の侵入経路になります。防水ファスナーでも、強い雨を長時間受ければ水分が入る可能性があります。
電子機器、書類、着替えなど濡らしたくない物は、カバーだけに任せず、密閉できる袋や防水バッグと併用すると安心です。
まず前用か後ろ用かを合わせる
前カゴと後ろカゴでは、幅・奥行だけでなく、開く向きと固定位置が異なります。前用はハンドルやブレーキワイヤー、後ろ用はサドルや後ろライトとの位置関係も見ます。
前後兼用と書かれていない製品を別の位置へ転用せず、対象とするカゴの種類を商品ページで確かめてください。
カゴの上部・底部・高さを測る
カゴは上部が広く底が狭い台形が多く、上辺の幅だけでは適合を判定できません。上部の幅と奥行、底部、カゴの高さを測り、カバーの適合寸法の全条件と比べます。
カゴに取っ手、太いフレーム、後付けパネルがある場合は、その厚みも考慮しましょう。
容量アップ式は「閉じた時」も確認する
ファスナーなどで高さを変えられるカバーは、かさばる荷物に便利です。ただし、カバーを伸ばすと荷物の重心も高くなり、前カゴではハンドル操作に影響します。
荷物を入れないときに、余った生地がタイヤ、スポーク、ブレーキへ垂れない形で収まるかも要点です。
開閉方向は荷物の出し入れで選ぶ
| 開閉の型 | 使いやすい場面 | 確認点 |
|---|---|---|
| 周囲ファスナー | 開口を大きく開けたい | ファスナー端の隙間と操作方向 |
| 手前開き | 乗車位置から小物を出す | ハンドルやサドルへ当たらないか |
| かぶせ式 | 構造を単純にしたい | 風でめくれない固定方法 |
固定ベルトとゴムの経路を見る
カバーの裾を絞るだけの型と、カゴのフレームへ複数のひもや面ファスナーで留める型があります。走行風でばたつかず、ふたを開けたときもカバー全体が外れにくい仕様かを確かめます。
固定ひもをブレーキワイヤー、ライト配線、ロックの可動部に巻き付けないでください。装着後はハンドルを左右へ切り、どの角度でも引っ張られないかを調べます。
純正品と汎用品は適合の確かめ方が異なる
車種またはカゴ品番ごとに指定された純正カバーは、メーカーの適合情報で車体とカゴの組み合わせを確認します。ヤマハのPAS用アクセサリーにも、車種別のフロント用カバーが掲載されています。車名が同じでも年式や装着済みカゴで結果が変わるため、品番ラベルを探します。
汎用品は「大型対応」などの表現のみで決めず、装着可能な上部寸法、底面寸法、高さ、固定方式をすべて照合しましょう。
荷物の量はカゴの積載条件を守る
カバーが上へ伸びても、カゴや自転車の最大積載量は増えません。パナソニックのNAR183・NAR184のページも、積載条件は取り付ける自転車の取扱説明書などを参照するよう案内しています。
かさばる荷物をふたで強く押さえると、ファスナーや固定部に負担がかかります。荷物が閉じたふたの中へ無理なく収まり、ハンドル操作やスタンド操作を妨げない量にしてください。
ライトと反射材を隠さない
前カゴの下や側面にライトがある車体では、荷物を入れた状態で光を遮らないかを見ます。後ろカゴでは、テールライトや後方反射材をカバーの裾が覆っていないことが必要です。
カバー自体に反射プリントがあっても、自転車本体の必要な灯火・反射器の代わりにはなりません。
水がたまったままにしない
ふたの上にくぼみができると、雨水がたまり、開けた際にカゴ内へ流れ込みます。荷物を入れすぎてふたを持ち上げた状態も、水の流れ方を変えます。
屋外駐輪後は水を払い、カゴとカバーの間を風通しのよい日陰で乾かします。濡れたまま密閉すると、臭い、カビ、金具のさびの原因になります。
装着後は空の状態で走行確認する
カバーを付けたら、まずカゴを空にしてハンドルを左右いっぱいまで動かします。ふたを開けた状態と閉じた状態の両方で、ブレーキレバー、ワイヤー、ライト、車輪へ触れないことを見ます。
次に安全な場所で低速走行し、風でふたが開かないか、異音がしないかを確認します。その後、軽い荷物から試し、操舵感が変わる場合は荷物を減らしましょう。
はっ水性は永久ではない
表面の汚れ、摩擦、紫外線、繰り返しの折り曲げで、はっ水性や生地の強度は低下します。洗い方とはっ水剤の使用可否は製品ごとに異なるため、取扱説明に従います。
生地の硬化、裂け、縫い糸のほつれ、固定ゴムの伸び、ファスナーの破損があれば交換時期です。
強風や台風の前は取り外す
カゴカバーは風を受ける面積を増やします。強風が予想されるときは、カバーを閉じれば安全と決めつけず、取扱説明に従って取り外します。自転車も風を避けられる安定した場所へ移し、カバーだけを飛散させないよう室内で保管してください。
日常の使用でも、固定ベルトの緩みや面ファスナーへの砂の付着を点検し、走行中に外れる予兆がある場合は使用しません。
カゴカバーは鍵の代用ではない
荷物を見えにくくする効果はありますが、布製カバーやファスナーは完全な施錠装置ではありません。貴重品は自転車へ残さず、カバーのロック用穴を使う場合も製品の指示に従います。
購入前の寸法メモ
- 前カゴか後ろカゴか
- 上部の幅・奥行、底部の寸法、高さ
- カゴのメーカーと品番
- ライト、反射材、ワイヤーの位置
- カバーの開閉方向と固定部
この5項目をそろえてから注文します。cycle-iでカゴカバーを購入する場合は、不良品を除いて返品できないため、手元のカゴの寸法と適合表示が合うことを先に確かめてください。
よくある質問
防水表示があれば荷物は絶対に濡れませんか?
そうとは限りません。生地が水を通しにくくても、縫い目や開口部から水が入る可能性があります。濡らせたくない物は個別に防水してください。
大きめのカバーならどのカゴにも使えますか?
余った生地が走行中にばたつき、タイヤやブレーキに近づくおそれがあります。カゴの寸法と形状が製品の適合範囲内か確認します。
雨の後はつけたままでよいですか?
水滴と汚れを取り、カバーの内側とカゴを乾かしてください。濡れたまま密閉すると、カビや金具のさびが生じやすくなります。
まとめ
防水性のあるカゴカバーでも、生地の性能と製品全体の浸水しにくさは分けて考えます。前後の別、上部・底部・高さ、固定方法を確認し、ライトやワイヤーへ干渉しない製品を選びましょう。
雨の後は水をためずに乾燥させ、生地や固定部の劣化も点検してください。
