兵庫県の自転車盗難対策を考えるときは、件数だけで「この地域は危険」と決めず、施錠状況と発生場所を確認することが大切です。兵庫県警察が公開する2025年(令和7年中)の自転車盗オープンデータには、7,809件の記録があります。
そのうち「施錠せず」は5,432件、「施錠した」は2,377件でした。無施錠をなくすことが出発点ですが、施錠していても被害は発生しています。本記事では、公開CSVの集計条件を明示し、自宅・駅・学校・買い物先で実行できる対策へつなげます。
自転車用の補助錠をcycle-iで確認
車体の備え付け錠に加え、駐輪場所と施錠対象に合う補助錠を選び、毎回使える組合せを準備しましょう。
集計対象は2025年の兵庫県オープンデータ
この記事では、兵庫県警察がオープンデータとして公開し、兵庫県ホームページに掲載されている「令和7年中の犯罪発生状況(窃盗・自転車盗)」のCSVを、2026年10月6日に取得して集計しました。CSVの各行を1件として数え、施錠関係、発生場所、市区町村、被害者年齢などの列を使用しています。
警察が把握し公開した記録であり、届け出られていない被害を含むすべての盗難件数ではありません。電動アシスト自転車だけを分ける列もないため、以下の数字を「電動自転車の盗難件数」と読み替えないでください。
2025年の自転車盗は7,809件
CSVに収録された自転車盗は7,809件です。これは兵庫県警察が「令和7年中」の発生状況として公開した件数で、2026年途中の状況を示すものではありません。なお、発生日(始期)の列では2025年が7,507件で、2024年以前の日付が291件、「不明」が11件含まれます。過去年と比較する場合は、同じ公開基準・同じ期間のデータを用いる必要があります。
県全体の数字から、自分の駅や集合住宅で被害に遭う確率を直接計算することはできません。駐輪台数、利用人口、駅利用者数などの分母がデータに含まれないためです。件数は対策の優先順位を考える材料として使います。
無施錠は5,432件で全体の69.6%
| 施錠状況 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 施錠せず | 5,432件 | 69.6% |
| 施錠した | 2,377件 | 30.4% |
| 合計 | 7,809件 | 100.0% |
構成比は件数を7,809で割り、小数第2位を四捨五入しました。約7割が無施錠だったことから、短時間でも鍵を掛ける行動が重要だと分かります。自宅敷地内、学校、駅前など、慣れた場所でも無施錠にしないことが第一歩です。
施錠した2,377件も見落とさない
施錠していた記録も全体の30.4%あります。このデータだけでは、錠の種類、鍵の本数、固定物につないでいたか、施錠が破られた方法までは分かりません。そのため「鍵を掛けても意味がない」とも、「ツーロックなら絶対に盗まれない」とも結論づけられません。
備え付けの馬蹄錠だけでなく、フレームと車輪を通す補助錠を加えます。管理者が認める固定物がある場合は、車体ごと運び去られにくい施錠方法を検討してください。錠の選択と通し方は「電動自転車の盗難対策」で詳しく解説しています。
発生場所の詳細では駐車・駐輪場が6,025件
「発生場所の詳細」列では、駐車・駐輪場が6,025件、その他が1,784件でした。構成比にすると駐車・駐輪場が約77.2%です。ただし、これは駅の有料駐輪場だけを意味せず、各種施設や住宅に付随する駐輪場所を含む可能性があります。
「駐輪場に入れれば安全」と考えず、管理人、入退場管理、照明、防犯カメラ、固定設備、長時間放置の有無を確認します。設備があっても死角や出入口付近など条件は異なるため、現地で位置を選びましょう。
住宅の敷地でも鍵を掛ける
大分類の「発生場所」では、4階建て以上の共同住宅が1,546件、3階建て以下の共同住宅などが719件、一戸建住宅が507件でした。合計すると住宅区分の記録は2,772件あります。
オートロックの内側、玄関近く、家族しか通らない場所でも、車体錠と補助錠を使います。共用部の設備や配管へ無断で固定せず、管理規約で認められた場所と方法を確認してください。バッテリーを外す場合は、車体側の端子を説明書どおりに管理します。
市区別の盗難件数は利用台数あたりの盗難リスクを示す数値ではない
CSVは神戸市を区ごとに記録しています。市単位にまとめると、神戸市(9区の合計)2,193件、尼崎市1,386件、西宮市946件、姫路市876件で、区単位では神戸市中央区の458件が最多です。しかし、この数字は人口、自転車保有台数、駅数、駐輪回数で割った発生率ではありません。
件数が多い市を「最も盗まれやすい」と断定したり、件数が少ない市で対策を弱めたりしないでください。自分が利用する駅・学校・商業施設の注意情報は、管轄警察署や施設管理者の案内とあわせて確認します。
10・20歳代の被害件数を通学・駐輪時の施錠を見直す材料にする
被害者年齢の列では、10歳代が3,057件、20歳代が2,037件でした。職業列では高校生1,345件、大学生1,008件、中学生780件という記録があります。ただし、年齢層ごとの自転車利用回数を示す分母はありません。
若い人ほど必ず狙われると結論づけず、通学時に同じ駐輪場へ長時間置く、急いで施錠を省くといった状況を家庭や学校で見直す材料にします。保護者が鍵を用意するだけでなく、本人が毎回使える位置と操作性も確認しましょう。
駅・学校・買い物先で施錠手順を変えない
短時間の買い物では備え付け錠だけ、通学では補助錠も使うという使い分けでは、短時間駐輪のときに補助錠を省くことになります。短時間でも、備え付け錠と補助錠の両方を使う習慣をつけましょう。停めたら電源を切り、車体錠を掛け、鍵を抜き、補助錠を掛ける順番を場所にかかわらず固定します。
鍵は車体のかごやすぐ近くへ置かず、利用者が持ち歩きます。スマートキー式の車体では、電子キーと機械式の補助錠の両方を管理し、解錠手段を車体へ残さないようにしてください。
電動自転車は本体とバッテリーを別々に守る
今回のCSVは電動車だけを分けていませんが、電動自転車には車体に加えて着脱式バッテリーの盗難リスクがあります。車体を補助錠で守っていても、バッテリー錠だけでは持ち去られる可能性があります。
対応するバッテリー用ロックを使う、長時間駐輪では説明書に従って室内へ持ち込むなど、保管環境に合わせます。非純正の固定具を配線や端子へ掛けず、バッテリー盗難に特化した確認は「電動自転車のバッテリー盗難対策」を参照してください。
防犯登録カードと車体写真を保管する
盗難対策と同時に、被害時に車体を特定できる記録を用意します。防犯登録番号、車体番号、メーカー、型式、色、鍵番号、バッテリー品番を控え、左右・前後・特徴的な傷や装備を撮影します。
防犯登録シールの写真だけをスマートフォンに残さず、防犯登録カードの原本を自宅で保管します。兵庫県での登録・変更・抹消は「兵庫県の自転車防犯登録」で確認できます。
盗難に気付いたら撤去と移動も確認する
駐輪場所に自転車がない場合は、施設管理者による移動や自治体の撤去を確認します。確認できなければ、鍵や購入記録を用意して警察へ盗難届を出します。GPSの位置情報が表示されても、自分で追跡して相手へ接触しないでください。
保険会社や盗難補償の窓口へ連絡する前に警察への届出が必要な場合があります。届出番号、日時、警察署、担当窓口を記録し、補償条件に沿って購入店・メーカー・保険会社へ連絡してください。
公開データは同じ条件で更新を確認する
翌年のデータが公開されたら、総件数だけでなく、施錠列の定義、対象期間、欠損項目、公開形式が同じかを確認して比較します。年途中の速報値と通年確定データを並べたり、認知件数と検挙件数を混ぜたりしないようにします。
この記事の数値は2025年のCSVに基づきます。現在の身近な発生状況は、兵庫県警察の地域情報、管轄警察署、利用施設の掲示を確認してください。
よくある質問
兵庫県で自転車盗難が最も多い市はどこですか?
2025年CSVを市単位にまとめた単純件数では、神戸市(9区の合計)が2,193件で最も多く、次いで尼崎市が1,386件です。ただし、人口や自転車利用回数で補正した数字ではないため、この件数だけで盗難の起きやすさは判断できません。利用する場所の設備と施錠を個別に確認してください。
鍵を掛ければ盗難を防げますか?
2025年データには施錠した状態の被害も2,377件あります。無施錠をなくすことに加え、補助錠、固定方法、明るく管理された駐輪場所を組み合わせます。これらの対策を組み合わせても、盗難を完全に防げるわけではありません。
公開データから電動自転車の盗難件数は分かりますか?
今回使用したCSVには、電動アシスト自転車かを区別する列がありません。そのため7,809件を電動車の件数とは扱えません。電動車は本体に加え、バッテリーの施錠・保管も別に考えてください。
まとめ
兵庫県の2025年自転車盗オープンデータには7,809件が収録され、無施錠は5,432件で69.6%、施錠ありは2,377件で30.4%でした。また、発生場所の詳細では駐車・駐輪場が6,025件を占めています。
無施錠をなくし、補助錠と駐輪場所選びを組み合わせることが基本です。市区別の単純件数を危険度ランキングにせず、自宅・通学先・駅で同じ施錠手順を続けましょう。防犯登録カードと車体情報も保管し、被害時は撤去確認と警察への届出を行ってください。
参考資料
- 兵庫県警察「地域の犯罪情勢(市区町別刑法犯認知状況)」(2026年10月6日確認)
- 兵庫県警察「令和7年中の犯罪発生状況(窃盗・自転車盗)」(兵庫県ホームページ掲載、CSV)(2026年10月6日取得・集計)
- 兵庫県警察「自転車とバイクの盗難防止対策」(2026年10月6日確認)
